平成17年3月定例会常任委員会
(財政総務・通常予算)
議題
1.付託案件の審査
以下、質問内容と回答です。
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福島
地方自治体では、東京都において行政手数料の電子収納が可能となっております。
大阪市では電子収納対応について、具体的にどのような検討をしていますか。
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浮村
(収入役室電子収納等担当課長)
手数料を伴う電子申請や税の電子申告などが導入されるに当たり、本市も導入していかなければならないと考えています。
現在、財務会計システムとの調整を図り、大規模な改修を防ぎ、開発経費や運営コストの軽減を図るといった課題について整理し、導入に向けて具体的な検討を行っています。
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福島
市民にとって大変便利になることですが、具体的にいつからですか。
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浮村
(収入役室電子収納等担当課長)
電子収納の導入は平成18年度中が目標です。
システム改修のため、確認作業を行い、財務会計システムと十分に連携を図りながら、平成19年度以降、順次対応できるように調整します。
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福島
システムを導入しても、市民に利用されないと、無駄な投資に終わってしまいます。他の自治体や金融機関などの関係先ともしっかりと連携して広報に努めて下さい。
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地理に関するデータを蓄積・管理する地理情報システム、GISは国のe-Japan計画において、整備を促進する、とあります。
本市での「統合型GIS」への理解と、システムの状況を教えてださい。
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森田
(計画調整局計画部情報化施策担当課長)
統合型GISを役所で利用すると、地理情報を複数の部署で共有し、ホームページを通じて情報を、市民の方、企業へ視覚的に提供できます。
本市では、道路、上下水道、都市計画、土地情報、地域情報、消防・防災など、業務ごとに個別型GISは稼働していますが、全庁的なGISの統合化はまだです。
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福島
自治体の先進事例として、横須賀市や西宮市でもさまざまな地理情報を市民サービスの一環として提供しています。
本市では、統合型GISの具体的なメリットをどのように考え、統合化への具体的な取り組みを行っていますか。
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森田
(計画調整局計画部情報化施策担当課長)
市民の方が役所へ足を運ぶことなく情報を入手できることがメリットです。
また、市民の方から道路工事関係の問い合わせがあった場合、どの部署からもスピーディーに対応できます。
必要な情報を横断的に共有し、市民サービスの向上、行政運営の高度化、効率化が図れると考え、GISの統合化に向けた検討を開始しました。
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福島
IT化については、引き続き取り組みが必要ですが、忘れてはならないのはセキュリティー対策です。
政府機関のホームページがハッカーに攻撃されたり、他人のコンピューターのデータを破壊したり誤動作を引き起こすウイルスなどの被害も急増しています。
大阪市では現在IT化に当たってどのようなセキュリティー対策を実施していますか。
今後、電子自治体を推進していく上でどのような取り組みを行なう予定ですか。
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木村
(総務局行政部情報システム推進課長)
情報セキュリティー対策について
住民情報を扱うシステムは専用回線を利用し、ID・パスワードの使用、業務範囲及び利用者の制限など、運用面の対策を講じ、不正なアクセス・データ漏えいを防いでます。
外部と接続するシステムは、ファイアウオールの設置、ウィルスチェックソフトの導入、アクセス状況の24時間監視など、ハード面・運用面での対策を講じています。
今後とも、セキュリティー対策には万全を期していきます。
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福島
IT化は自治体経営の観点から効果的な活用が図れるようにしなければなりませんが、大阪市として電子自治体の取り組みを今後どのように進めていくつもりですか。
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木村
(総務局行政部情報システム推進課長)
今後も電子自治体の取り組みを一層推進し、市民サービスの向上、行政運営の高度化、効率化に努めていきます。。
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福島
大阪市が地域に密着した形でサービスを行うためには、区役所の権限拡大、予算・権限移譲などの区政改革が重要です。
本市も、市民ニーズを的確に把握、実現することが重要となりますが、市民ニーズを局施策へと反映させていくどのような仕組みがありますか。
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藤堂
(市民局市民部区行政企画担当課長)
局区まちづくり企画会議を設置し、区役所と関係局が一堂に会して取り組みを協議しています。
また、必要な施策を区長が市長や関係局長に対して要望する区長施策要望も行っています。
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福島
仕組みがあるだけでは意味がなく、十分機能していなければなりません。
局区まちづくり企画会議についてですが、議論内容と取り組みを教えて下さい。
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藤堂
(市民局市民部区行政企画担当課長)
防犯・防災とか、緑化、環境、また福祉等の地域からの要望や課題が中心です。
この会議は平成14年度から設置し、これまで9区10件の議題があります。
実際は、関係各局と区役所とが役割を確認し、役所が地域に出向きまして議論を深め、再びこの会議において地域の意見を踏まえ協議を行います。
この会議の活用により、縦割りの仕組みの中では解決が困難であった課題について、一定の成果が上がっています。
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福島
区長施策要望の要望数、要望内容、実現の有無はどうですか。
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藤堂
(市民局市民部区行政企画担当課長)
防犯・防災関係・・・地域安全マップづくり
緑化関係・・・緑化活動の支援
福祉関係・・・高齢者虐待防止
子育て支援のシステムづくり
など、区内全体に関わる課題が取り上げられます。
平成15年度実施に向けた要望数は72件、このうち29件が実現、あるいは実現に向けての取り組みを行っています。
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福島
43件、つまり6割実現していないことになりますが、本当に地域の課題を反映した要望ならば、実現に向け区役所が主体的に取り組んでいくべきだと考えます。
区長が直接市長に対して要望する仕組みが有効に機能してないようですが、どのような課題がありますか。
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藤堂
(市民局市民部区行政企画担当課長)
区長施策要望では、モデル区として事業の実施を求める要望、国や府の権限のもの、新規事業の予算化の問題があり、すぐに実現に至りません。
引き続き、区役所がリーダーシップをとり、縦割りの弊害をなくし、総合的に地域の諸課題に対応していきます。
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福島
24区横並びでなく、できる区役所からでもモデル区として取り組むことで、地域の実情に応じた施策が展開され、地域課題の解決が図られます。
全市一律の対応が行われている現状を区役所から変える意気込みが必要ですが、どう考えますか。
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林
(市民局市民部区政課長)
区の特性に応じた事業実施、創意工夫による取り組みという観点も一つの方向性です。
市政運営方針の中でも、「地域密着型予算の創設」が掲げられています。
指摘されたの点も踏まえ、区政の推進に取り組んでいきます。
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福島
地方公共団体の財務会計は現金主義のため、資産の状況や正確な費用の把握ができません。
よって、企業会計的手法が既に導入されていますが、本市の取り組み状況について教えて下さい。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
本市は、総務省が示した作成方法に基づき、バランスシートは平成13年度決算から、作成・公表しています。
また、行政コスト計算書は、普通会計について平成12年度決算から作成・公表しています。
公表方法は、毎年12月1日に大阪市公報号外「財政のあらまし」に記載し、財政局のホームページでも公表しています。
また、総務省からの報告書に示された資料に加え、本市は1年間の資金の出入りを
* 行政活動
* 建設資金活動
* 財務活動
の3つの活動区分での計算書を平成15年度決算で初作成し、新聞紙上で公表しています。
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福島
市民が財政状況を知るツールとして準備できていますが、それらの活用や効果にはどうですか。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
地方公共団体におけるバランスシートなどは、的確な評価手法などが確立されておらず、まだ十分に活用できていません。
今後はこうした課題の解決に向け、検討を進めていきます。
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福島
発生主義により行政コスト計算書をつくることのメリットをお教えください。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
発生主義とは現金の収入・支出にかかわらず、収益及び費用の発生原因となる事実の起こったことを記帳の基準とする会計方式です。
例えば、図書館を建設し運営していく場合、
現金主義であれば
建設した年度に現金の支出があり当該年度の事業費が大きく膨らみますが、
発生主義では
図書館は将来にわたって使うものですから、その建設にかかる費用についても毎年の経費として減価償却費という形で把握しようとすることになります。
このようなとらえ方によりまして、現金主義会計では見えてこないコストの把握が可能となりまして、コスト意識の醸成並びに経営感覚の向上などにもつながります。
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福島
個々の事業も各局が同じような手法でコスト把握をしていくということが必要だと感じます。
2年前の予算市会で事業別のコスト計算書について本格的な作成、活用に向けて検討を進めるという答弁がありましたけれども、いまだ公表されてません。現在の取り組み状況を教えて下さい。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
事業別の行政コスト計算書ですが、その作成、活用に向けて研究を行っています。
選択と集中について明確な基準に基づき実施し、できるだけ早急に各局が事業別行政コスト計算書を作成し活用できるようにしていきます。
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福島
今、事業別コスト計算書の検討を早急に進めていただいた上で、発生主義に基づく事業別コスト計算書ができれば、それを分析するABC分析という手法を考えて下さい。
サービスの活動の単位ごとに明確なコストが金額で示されるために、個別のサービスへの資源分配の現状の把握ができ、効率化やアウトソースの方法を検討できると思います。
既に幾つかの地方公共団体でも導入されていますが、どのように考えていますか。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
財務状況を市民にわかりやすくお伝えする観点から、事業別行政コスト計算書の作成とその活用に向けて検討を進めています。
まずは事業別の行政コスト計算書を早期に分析、公表できるように取り組み、ABC分析も国の研究動向などを注視しつつ情報収集に努める予定です。
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福島
公会計部会についてですが、
改革を推進するために都市経営諮問会議を発展的に解消し、4月に市政の抜本的改革を進めるための組織として市政改革本部を立ち上げるということです。
この改革本部で検討するテーマについてですが、ヘッドクオーターと4つの部会があり、部会の具体策を検討するワーキンググループもあるということです。
その4つの部会で、どのような課題を議論する予定なのか内容を教えて下さい。
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田中
(財政局財務部財政改革プロジェクト室長)
市政改革本部の各部会で検討する内容ですが、
行政システム改革部会では
*IT化の推進
*行財政運営改革に係る新たな取り組み、
*官民の役割分担のあり方、
*区政改革のあり方、
*監理団体の改革など
行政評価部会では
*施策への反映につながる
総合的な行政評価システムの検討
人事給与制度改革部会では
*能力・実績が的確に反映される人事給与制度
*早期退職制度の検討や導入
公会計部会では
*財務状況を把握するための基準づくり
*わかりやすい公開手法
について検討する予定です
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福島
今まさに市役所の風土を変えるという取り組みが重要です。
昔のままの制度や事業を見直す、前例踏襲型から、市民の立場から行政の果たすべき役割を考えて、目標志向型、成果重視型の行政運営、行政経営へと転換していく必要があります。
改革本部への民間の人材登用についてですが、3諮問会議の委員の方々に改革本部への参加の意向を打診したのかどうか。また、今後正式に打診するのかどうか。民間の人材を含め、改革本部の体制について教えて下さい。
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關市長
市政改革本部ですが、民間の人材、外部の有識者の方などに積極的に御参加いただきたいと思っていますし、4つの部会におきまして部会の検討のテーマに沿った人材の登用を考えています。
都市経営諮問会議は発展的にこれを改革本部へ統合します。諮問会議の委員の皆さんには引き続き市政改革本部に御参加をいただきたいと思っております。
しかし、現段階では御意向を、正式にお伺いしている状況ではありません。が、今後のお願いをする機会を持ちたいと思っておりまして、その場で正式に改革本部への御参加をお願いする予定です。
改革本部を非常に実行性のある部隊としてそれを組織していき、今後、市政を進めてまいりたいというふうに思っております。
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福島
しかし、日々の業務に携わる一人一人の職員の意識が変わらないと、結局、同じことの繰り返しになることもあります。
「市役所の風土改革」がかけ声だけにとどまらないよう、具体的な方策とシステムづくりが必要ですが、これまでの職員の意識改革の取り組みを教えて下さい。
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錦織
(総務局行政部行政企画課長)
平成13年3月の新行財政改革計画において、職員の意識改革を掲げて取り組んできました。
加えて、新たな人事評価制度の一環として、目標管理的手法を用いて業務実績の評価を行う管理職の目標管理制度を平成15年度より実施しており、事業評価システムの構築、活用などにも取り組んでいます。
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福島
最近の提案内容について幾つか紹介してください。
尚、優秀な提案を市政に生かすことが職員の意識改革につながると思いますが、どうですか。
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山本
(総務局行政部大都市制度等担当課長)
今年度の提案は、
* 地下鉄に電力を供給する
検測車の車体の軽量化
* パソコンを導入して
測定の精度や作業のスピードのアップ
* ごみ焼却工場内の高圧洗浄機ノズルを
あり合わせの部品で製作し、
作業効率の向上とコストの削減を図る
などがあります。
すぐれた提案を市政に生かすことは職員の行政運営への参加意識を高め、職員が意欲を持って職務を遂行していくことにつながります。
今後も職員の創意工夫や研究努力を奨励し、すぐれた提案は市政に反映されるよう、関係各局で連携を図っていきます。
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福島
こうした取り組みを市役所の中だけで行うのではなく、市民にも広く紹介していくとともに、参加もしていただけるようなオープンなものとすればより効果が高まるというふうに考えます。
市長はこれから市役所の風土改革に取り組まれるということですが、職員の生の声をトップに上げ、そして市政に反映するということが必要だと思います。
市長、お考えをお伺いいたします。
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關市長
職員の意識改革についての御質問であります。
今の時代にふさわしい先進的な都市、大阪市を目指していくには、やはり職員が決して失敗を恐れずに新しいことにチャレンジをしていこうという気風をみんなで持って、大阪市の組織全体が活性化するように最大の努力をしてまいりたいと思っております。
また、第一線で働いている職員の方々に対する、あるいはすべての職員に対するアンケートですが、ぜひこれを新しい年度においては実行してまいりたいというふうに思っております。
職員からの率直な御意見やアンケートも大事ですし、私自身が職場、現場へ出ていくということも大事だと思いますので、そういうあらゆる手段を通じて、このいわゆる市役所の職員の意識改革というより、風土全体に対する改革を進めていきたいというふうに思っております。
他の都市の事例も参考にしながら、これから職員とともに市政を改革するという気持ちを強く持って進めていきたいと思っております。
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福島
市長、ありがとうございます。
この市政改革本部、その他の各局の連携を深め、ぜひ本当に改革に向け市政改革本部を4月から実行していただき、スピーディーな改革を要望して、質疑を終わります。
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(会議詳細は・・・)
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