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2004年2月 米国視察リポート

ミッション・ベイ プロジェクト

サンフランシスコ金融街の南、ジャイアンツスタジアムの周辺303エーカーに及ぶ都市開発プロジェクトがあり、ミッションベイプロジェクトと呼ばれています。


ジャイアンツスタジアム

● プロジェクト概要 ●
・ 鉄道操車場跡地のミッションベイ地区
  (サンフランシスコ湾に面したダウンタウンに隣接する地域)
・ 総面積303エーカー(約127ヘクタール)
・ カリフォルニア大学サンフランシスコ(UCSF)
  バイオテクノロジー等の業務、
・ 複合的な職住接近型の再開発事業計画
   (商業施設、ホテル等の整備を予定)

・ 開発事業者: カテラス開発コーポレーション
     (旧の鉄道会社の不動産部門が独立)
・ 投資額: 約20億ドル[2,200億円]
・ 雇用創出: 31,000人の常時雇用 及び
          数百人規模の建設雇用
・ 開発期間: 30年間


● プロジェクト経過 ●
1.デベロッパーが200万ドルを提供
   (計画策定費用として)

2. 基本案を策定
   (100回のシャレット(会合)を重ね決定)
    会合には コミュニティ活動家、
           デベロッパー、
           市関係者、
           コンサルタント が集まる

3. CAC(市民諮問委員会)を設立
    (設計品質の向上、市民願望の反映 のため)
    (20の変更を実施)
    

4. 設計の住民参加を呼びかけ、修正
   (98年から、近隣住民1000人を対象)

5. 低所得者に対する住宅や雇用創出に対応

6. デベロッパーは
   開発者負担 として、
     所有地約7ヘクタールを市へ無償提供
     (上記の住宅用地として)
   開発資金 として
     100万ドル融資
     (低所得者住宅を建設するNPOに対して)

   ファーストソースプログラムに300万ドルを提供
    (サンフランシスコ市の雇用創出機会のため)


● 施設計画 ●
・ 住居― 6,090戸(1,700戸は低所得者向け)
・ 大学― 43エーカー(17.4ヘクタール)の研究キャンパス
   (265万平方フィート(7万4千坪)の建築空間をもつ)
   (カテラス社とサンフランシスコ市がUCSFに寄付)
・ 商用施設― 500万平方フィート
     (カテラス社所有)
    (オフィス、研究開発、民間バイオテクノロジー等)
・ 娯楽施設― 35万平方フィート
     (都市型娯楽施設)

     (新設のSFジャイアンツ球場に隣接)

・ 商業施設― 36万5000平方フィートの
     (都市型、近郊型商業施設)

・ 学校― 公立学校(生徒500人)を新設
   (寄付される予定のUCSFキャンパス内)
・ 公共空地― 49エーカー(19.8ヘクタール)及び
    UCSFの 8エーカー(3.2ヘクタール)
・ ホテル― 500室


ミッションベイ ビジターセンター にて 

● 開発背景 ●
1990年代半ば
・ UCSFが近隣への移転を検討
    (キャンパスが手狭になったため)
    → SF市にとってマイナス

・ SFに留まれるように
  サンフランシスコパートナーシップ
 が
      市当局、
      大学、
     
カテラス社(広大な土地を所有していたため)
             に働きかける。

・ SF市が10エーカー・カテラス社が33エーカー
                  合計43エーカー 
   大学にキャンパス用地として寄付
することで合意

・ カテラス社が周囲を含んだ大規模再開発を主導
  行政プロジェクトでなく、私有地を用いた
  民間の不動産プロジェクトのため、
  市は直接的に融資を行っていない

・ 開発の目的: バイオテクノロジーの分野
     (成長が期待されるため)

・ UCSFの研究と民間企業の連携ができるよう
  キャンパスと民間企業のスペースだけでなく、
  一般住居や商業施設との開発を予定


ミッションベイ


● 問題点 ●
・ 企業誘致の困難
   
--SF市が企業誘致を手伝う
・ 資金計画 
    --固定資産税で回収、18億ドル   


  参考サイト:
  ● University of California, San Francisco

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